ごあいさつ

第34回高崎音楽祭の開催にあたって

「音楽のある街 高崎」の秋を彩るイベントとして、高崎市民はもとより全国の音楽を愛する方たちにもすっかり定着した「高崎音楽祭」は、今年で34回目を迎えます。

高崎音楽祭は、音楽のすばらしさ、楽しさを市民の皆さんに伝えていきたいという思いから1990年に始まりました。33年という歴史と伝統を引き継ぎながらも、それでいて常に新鮮で、エキサイティングな公演に挑戦していきたいと思っております。

今年は、感染症対策によるさまざまな制限がなくなって初めての開催となります。引き続き安心してコンサートを楽しめる空間づくりに取り組んでいきますが、コロナ禍で失われた時間を取り戻せるような、観ごたえ聴きごたえのある音楽の祭典にしていきます。 そして今年は過去最多となる18組のアーティストが出演します。

初の試みとして、高崎駅西口で、オープニングセレモニーを開催します。高崎第九合唱団と高崎市民吹奏楽団から合わせて二百人を超える団員が参加して、サプライズと迫力の共演をお届けします。

高崎芸術劇場の大劇場でオープニングを飾るのは、群馬交響楽団です。高崎芸術劇場芸術監督で、日本を代表する指揮者でもある大友直人さん、ソリストに高崎市とゆかりのあるバイオリニスト加藤知子さんを迎え華やかに幕開けします。クラシックではもう一本、ピアニスト清水和音さんと群馬交響楽団のコンサートマスター・伊藤文乃さんの共演も楽しみです。

今年は新たな試みとして、音楽と食事を楽しんでいただくコンサート「ダイニング・ノーツ」を企画しました。山中千尋さん、TOKUさん、渡辺香津美さんというトップジャズアーティストが、スタジオシアターにおいてセッションを繰り広げます。グラスを傾けながら、ごゆっくりと演奏を楽しんでください。

大劇場には音楽祭の常連が次々と登場します。「0歳から親子で楽しむ初めてのオーケストラ 高崎こどもコンサート」は、高崎市出身のミュージシャン・吉田ゐさおさんによるプロデュース。赤ちゃんが泣いても、子どもが走り回っても怒られません。家族みんなでお楽しみください。渡辺貞夫さんは16人のビッグバンドを率いて出演。この音楽祭だけの伝説的な公演になる予感がします。

美しい響きが特徴的なクラシック専用の「音楽ホール」では、生の音を心行くまで楽しんでいただきたいと思います。若手人気ピアニスト・石井琢磨さんや、超絶技巧の尺八演奏家・藤原道山さんとマリンバ奏者・SINSKEさんが登場します。

あらゆるジャンルの音楽の魅力を引き出す「スタジオシアター」では、グリムスパンキー、土岐麻子×アン・サリーといった人気ミュージシャンが登場。高崎音楽祭から生まれた熱帯JAZZ楽団は小野リサさんと共演。ティグラン・ハマシアン、日本初公演となるレオ・コッケといった海外アーティストも招聘しました。

そして今年の音楽祭のトリを飾るのは、ゴスペラーズです。高崎、そして高崎音楽祭への思いを語ってくれた昨年のトークは本当に感動的でした。34回のフィナーレにふさわしいパフォーマンスを見せてくれるはずです。

今回の高崎音楽祭でも、高崎でしか聴くことのできない、音楽祭でしか観られない公演を多数企画しました。高崎音楽祭にお越しいただいたお客様が、新しい音楽との出合いをとおして、素晴らしい感動を胸にしていただければ幸いです。そうして生まれた「感動と共感」を高崎のまちづくりの新たな力にしてまいります。

結びにあたり、第34回高崎音楽祭の開催に多大なるご支援、ご協力を賜りました皆様に感謝を申し上げ開催の挨拶とします。

高崎音楽祭委員会 会長
児玉正蔵

高崎市長
富岡賢治