群馬交響楽団が、今年は世界的なジャズ・ミュージシャンと共演。第一部では、ジャズ界のトップ・ギタリストで日本でも絶大なる人気を誇るマイク・スターンと群馬交響楽団が初共演。グラミー賞受賞アレンジャーがアレンジした楽曲を世界初披露。
第二部では、世界的に著名なトランペット奏者、ランディ・ブレッカーが、今年のグラミー賞を受賞したアルバム「Night in Calisia」の楽曲を群馬交響楽団と共演。
- 9月14日(日)17:00開場 18:00開演
- 会場:群馬音楽センター
- チケット:6,000円(全席指定)
- 出演:ランディ・ブレッカー(トランペット)
マイク・スターン(ギター)
大友直人(指揮)
ライオネル・コーデュー(ドラム)
トム・ケネディー(ベース)
群馬交響楽団(管弦楽)
- 【スペシャルゲスト】
ヴオデック・パヴリク(ピアノ)
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プロフィール
ランディ・ブレッカー
1945年フィラデルフィアの音楽一家に生まれ、幼い頃から、音楽の才能を育んできた。インディアナ大学卒業後にニューヨークへ移住。1975年弟のマイケル・ブレッカー(ts)と共に“ブレッカー・ブラザーズ”を結成。第1作品目はランディー自ら作曲とアレンジ、プロデュースを行い、“サム・スカンク・ファンク”をフィーチャーした作品となった。強力なインパクトと影響力のあるそのバンドは、1981年までの約6年間で6枚のアルバムをリリース、7つのグラミー賞にノミネートされた。1981年に一旦解散するも、1992年再結成「The Return of the Brecker Brothers」を作成、その作品で3つのグラミー賞にノミネート、さらにその後1994年に発表した「Out of the Loop」にて念願のグラミー賞2冠を達成した。ポーランドのピアニスト兼作曲家であるWlodek PawlikとKalisz Philharmonicと共に録音をした「Night in Calisia」が2013年度グラミー賞を受賞。40年のキャリアを持つ今も、数々の新プロジェクトに取り組むランディーの活動はとどまることを知らない。
マイク・スターン
マイク・スターンは、30年に渡るキャリアと、幅広くかつ革新的な作品で、6度のグラミー賞ノミネートを記録。最高のジャズ・フュージョンギタリスト、そして作曲家として、その地位を確立させてきた。1953年1月、ボストンで生まれたスターンは、ワシントンDCで育ち、バークリー音楽大学へ入学。大学を卒業し、22歳で彼はブラッド・スウェット&ティアーズのギタリストとして活動を始める。1981年、マイルス・デイビスが活動を再開する際、彼のバンドメンバーとして重要な役割を務めて欲しいと、本人直々に招集され、偉大なジャズの巨匠達と共にレコーディングに参加した。1992年にマイケル&ランディ・ブレッカー率いる、ブレッカー・ブラザーズ・バンドが再結成されると同時に、バンドへ参加。その後も様々なアーティストと活動し、参加した作品が何度もグラミー賞にノミネートされるなど、高い評価を受けてきた。2012年6月にリリースされた『All Over the Place』は、スターンの最新レコーディング作品。華やかなゲストが演奏を彩っている。
ヴオデック・パヴリク
1958年生まれ。ピアニスト、作曲家。ワルシャワのショパン音楽アカデミーにてクラシックピアノをバルバラ・ヘッセ=ブコフスカに師事、1984年に卒業。さらにジャズ作曲、理論、編曲をハンブルク音楽演劇大学(ドイツ)にて学び、1990に卒業する。ダンケルク国際ジャズコンペティション(1984年フランス)の器楽家部門での最優秀賞、モナコでのインターナショナル・コンポーザー・コンペティション(1988年)で優秀賞など、国内外の多数のコンクールで数々の受賞歴がある。
自身の名義でこれまでに21枚のレコーディングを発表、ハーグでのノース・シー・ジャズフェスティバル(1998年)、アテネのヨーロピアンユニオン・ジャズフェスティバル(2006年)など名声のある一流ジャズフェスティバルで、またヴロツワフのヴィラティスラヴィア・カンタン(2003年、Misterium Stabat Materで)などクラシック音楽フェスティバルでも演奏している。アーティスト活動とレコーディング作品により、メディア(2002年、オーストラリアでのツアーを同国日刊新聞ジ・エイジが絶賛)、専門雑誌(評論で有名なダウンビート誌がランディ・ブレッカーとのアルバム“Turtles”を素晴らしいと高く評価)における存在感を確立した。彼はまた、交響曲(ピアノコンチェルトを含む)、ヴォーカル・インストゥルメンタル形式(2007年、ワルシャワのポーランド国立歌劇場で初上演されたオペラ“Via Sancta”やシェイクスピアのソネットのための楽曲)、バレエ(“Flow”)、劇場や映画のサウンドトラック(“Crows”)、1996年と1988年(アクワリアム・ジャズクラブで)、さらに2001年(ジャジーマガジン誌で)ミュージシャン・オブ・ザ・イヤーに選ばれている。また、“Misterium Stabat Mater”で2005年フレデリック賞、ジャズ・ロック最優秀プロジェクト部門でトリオアルバム“Anhelli”が2006年ポーランド国営テレビ文化チャンネル賞、歴史あるグディニャのポーランド映画祭において“Rewers”で最優秀映画サウンドトラック賞を受賞。同サウンドトラックは、ポーランド映画界の大賞である2010年オーリー(鷹)賞を受賞するなど、彼の作品は多数の賞を受賞している。
2008年には、トランペッターのランディ・ブレッカーとアルバム“Tykocin Jazz Suite”を収録、ポーランドのポーランドラジオと、アメリカのサミットレコードよりリリースされた。このアルバムはポーランドとアメリカで、その年のジャズ評論家によるランキングで高く評価され、フィラデルフィア・インクワイアでジャズ部門最優秀、ポーランドでは2009年フレデリック賞の最優秀ジャズアルバムでノミネート、ヴオデック・パヴリクとしてジャズ・ミュージシャン・オブ・ザ・イヤーにもノミネートされる。
“パヴリクはジャズのウラディミール・ホロヴィッツだ。独特の世界を持つ、奇才。全ての人が彼のプレイを聴くべき。”
ーー エリック・ファント・グローンウッド“Who is Who”、ノースシージャズマガジン(1998)
“ヴオデック・パヴリクが発表した極上のアルバム[“Turtles”] (...) このレコーディングに収録されている音楽は、確かに上質なモダンジャズと言えるだろう。”
ーー フランク・ジョン・ハドレー、ダウンビート(1997)
“ジャズアワーにヴオデック・パヴリクトリオが出演 (...)極上のテクニックと素晴らしい即興”
ーー クラウス・ベルガ、ハンブルグ・アーベンブラット
“Nostalgic Journey: Tykocin Jazz Suiteはランディ・ブレッカーの新しいサウンドとヴオデック・パヴリクを世に知らしめるという点で最高のCDである。”
ーー ダン・マクレナガン、オール・アバウト・ジャズ
“上質で予測できないストーリー(…)、全てが素晴らしく、ジャズに彩られたスコアに融合している。”
ーー “Rewers” - シェリ・リンデンによる映画作品レビュー、ハリウッドレポーター
大友直人
現在、群馬交響楽団音楽監督、東京交響楽団名誉客演指揮者、京都市交響楽団桂冠指揮者、琉球交響楽団ミュージックアドバイザー。また、2004年から8年間にわたり、東京文化会館の初代音楽監督を務めた。
在京オーケストラの定期演奏会にとどまらず、これまでにコロラド交響楽団、インディアナポリス交響楽団、ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団などに招かれ、2012年3月にはハワイ交響楽団のオープニングコンサートを指揮、同年6月にはロレーヌ国立管弦楽団の定期公演に客演。絶賛を博し、欧米での活躍にも大きな期待が寄せられている。
オペラにも力を入れており、1988年日生劇場における《魔弾の射手》でのオペラデビュー以来、オペラの指揮も高く評価されている。特に、2006年8月にプッチーニ音楽祭にて三枝成彰作曲オペラ《Jr.バタフライ》や、2013年1月には同作曲家のオペラ《KAMIKAZE-神風-》世界初演を行い、大きな話題となった。
クラシックと他のジャンルとのコラボレーションによる新たな音楽シーンを発信している。クラシック専用ホールである東京文化会館でポピュラー・コンサートをプロデュースしたり、既成のジャンルや表現形式に捉われない新しい形の舞台芸術をプロデュースするなど、音楽プロデューサーとしても新しい音楽シーンを牽引している。
教育的活動にも力を注ぎ、「こども定期演奏会(東京交響楽団)」を行うほか、国際音楽セミナー「ミュージック・マスターズ・コース・ジャパン」を盟友である指揮者アラン・ギルバートと毎年開催するなど、活発な活動を行っている。
2000年第8回渡邉暁雄音楽基金音楽賞、2008年第7回齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞。
群馬交響楽団
1945年 、戦後の荒廃の中、文化を通した復興を目指して「高崎市民オーケストラ」が創設され、 翌年 「群馬フィルハーモニーオーケストラ」、 1963年には「財団法人群馬交響楽団」、2013年4月より「公益財団法人群馬交響楽団」と改称し、音楽監督に大友直人が就任した。
1955年、「群響」をモデルに制作された映画「ここに泉あり」が公開されると群響は全国的に注目を集め、翌年には群馬県が文部省から全国初の「音楽モデル県」に指定された。さらに1961年、市民の全面的な支援を受けて高崎市に群馬音楽センターが建設され、これを拠点としてさらに幅広い活動が展開された。また、1947年5月から始めた移動音楽教室では、2009年度までに延べ600万人以上の児童・生徒が鑑賞しているのをはじめ、県内各地で演奏活動を展開し、群馬県の文化の象徴として県民から幅広く支持されている。
1994年には「プラハの春国際音楽祭」、 「ウィーン芸術週間」 から同時に招待を受け、 当時の音楽監督である高関健指揮のもと欧州4カ国を巡る海外公演を実現した。翌年には50周年記念委嘱作品「オーケストラのための遠景Ⅱ」(細川俊夫作曲)を東京・群馬で初演し、高い評価を得た。
2003年10月にはNHKテレビ番組「プロジェクトX~挑戦者たち~」で楽団の草創期が紹介された。また、2004年11月には天皇皇后両陛下、デンマーク国女王陛下同王配殿下をお迎えしての移動音楽教室を開催し、2005年4月にはNHK朝の連続テレビ小説「ファイト」の主題曲を担当し話題となった。
創立70周年に向け大友直人音楽監督のもと、定期演奏会、移動音楽教室はもとより幅広い音楽活動を展開している。