ごあいさつ

「音楽のある街高崎」は 「音楽の好きな街」

高崎音楽祭委員会会長 原浩一郎
高崎音楽祭名誉会長 高崎市長 富岡賢治

 高崎音楽祭は1990年11月に高崎市制90周年事業として、高崎の新しい都市文化の創造と高崎の新しい都市づくりの息吹を内外に情報発信する音楽イベントとして開催されました。

 今年で29回目を数え「音楽のある街高崎」のシンボルとして、また高崎の秋を彩るイベントとして、高崎市民はもとより県内外の音楽を愛する人々にも定着し、地方都市で開催される音楽祭としては全国最大級かつジャンルを超えた音楽祭として独自の存在感を示しています。

 全国の著名な音楽祭がクラシック音楽を中心としている中で、高崎音楽祭には群馬交響楽団や高崎ゆかりの音楽家を含めて、クラシックのみならずポップスやジャズ、伝統音楽、ワールドミュージックなど幅広いジャンルのアーティストが出演してきました。

 また、群馬交響楽団とさまざまなジャンルのアーティストとの共演を始め、高崎ならではの高崎でしか聞くことのできないコンサートを開催してきました。これは高崎が群馬交響楽団のある「オーケストラの街」であるとともに、ロックやポップスの分野でも多くのアーティストを輩出した街であり、それに加えて全国有数の市民による吹奏楽や合唱が盛んな都市であるからです。

 さて、「音楽のある街高崎」は1990年に高崎音楽祭で初めて使われたフレーズです。また高崎音楽祭と連動して東京駅で開催された「とうきょうエキコン」では全国に向けて発信されました。1980年に芥川也寸志さんが「音楽の好きな街」という曲を高崎の子どもたちのために作曲し、今でも歌い継がれていますが、「音楽のある街高崎」は「音楽の好きな街」とともに、高崎音楽祭を開催する「心」であり原動力です。

 高崎音楽祭も来年は30回という記念すべき年を迎えます。そして、この第30回高崎音楽祭は現在、高崎駅東口に建設中の「高崎芸術劇場」で開催される予定です。古今東西の幅広い音楽や舞台芸術を多様なシチュエーションで鑑賞、創造することができる全国有数の「高崎芸術劇場」の新しさを象徴するような音楽祭にしていきたいと構想しています。

 そのためにも、今年も多くの市民の皆様や全国から高崎にお越しいただいた音楽ファンの皆様が、新たな音楽やアーティストと出会い「感動と共感」を生み出していただけることを願っています。そして高崎音楽祭で生まれた「感動と共感」を高崎のまちづくりの新たな力にしていきたいと思います。

 結びにあたり、第29回高崎音楽祭の開催に多大なるご支援、ご協力を賜りました多くの皆様に感謝を申し上げ開催の挨拶とします。