ごあいさつ

第32回高崎音楽祭の開催にあたって

高崎の秋を彩るイベントとして、高崎市民はもとより県内外の音楽を愛する方たちにもすっかり定着した「高崎音楽祭」は、今年で32回目を迎えました。高崎音楽祭は、1990年の市制90周年の記念事業として開催した「第1回 アルゼンチンの風」に端を発し、高崎の新しい都市文化の創造と、新しい都市づくりの息吹を発信する音楽イベントとして開催してまいりました。

しかし昨年は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、初めて高崎音楽祭を中止いたしました。音楽祭だけでなく、この1年の間、多くのイベントやコンサートが中止に追い込まれました。人と人とのつながりが制限され、ふれあいも極端に減ってしまいました。けれども音楽はいつも私たちの心に寄り添い、活力ややすらぎを与えてくれるものです。生の演奏を聴くことで、新たな心のつながりも生まれます。

第32回高崎音楽祭は、こうした状況の中でも、音楽のすばらしさ、楽しさを伝えていくことを目指し、お客様の安心・安全を最優先に、感染症対策を徹底した上で開催いたします。

会場は、高崎芸術劇場です。国内トップクラスの音響と言われる「大劇場」でオープニングを飾るのは、群馬交響楽団の元首席指揮者の沼尻竜典が率いるミタカ・フィル・ハーモニア。数々のヒット曲を持ち、若者に絶大の指示を受ける歌手・中島美嘉と共演します。クラシックではもう一本、高崎音楽祭初となる合唱コンサート「シャローネシンガーズ」です。プロのオペラ歌手がそろい、どのようなハーモニーを響かせるのか非常に楽しみです。高崎音楽祭で誕生し、毎回熱い音楽を届けてくれる熱帯JAZZ楽団は、今回は実力派シンガー、福原みほと共演します。布施明は音楽祭に初登場。毎年多くのファンが訪れるゴスペラーズは、今年もビッグバンドの豪華な演奏と共に、素敵な歌声を聞かせてくれるでしょう。

そして、こちらも初めての取り組みとなる「高崎こどもコンサート」。高崎市出身の作曲家、吉田ゐさおが、小さいお子さんを持つ、お父さんお母さんのために企画しました。

さまざまな演出が可能なホール「スタジオシアター」では、押尾コータロー、DEPAPEPEのアコースティックギターライブ、大橋トリオ、渡辺貞夫、民謡クルセイダーズとさまざまなジャンルの公演を企画しました。また、実験的な企画展として、音楽と光と映像のコラボレーション「Rhizomatiks × TASKO」も開催します。

美しい響きが特徴的なクラシック専用の「音楽ホール」では、群馬交響楽団のコンサートマスター伊藤文乃、そして世界的なピアニストの仲道郁代が登場します。

今回の高崎音楽祭も、高崎芸術劇場の魅力をさまざまな角度から体感・実感できる公演になると確信しています。コロナ禍だからこそ、より一段と胸に響くこともあるかもしれません。高崎音楽祭にお越しいただいたお客様が、新しい音楽との出合いをとおして、素晴らしい感動を胸にしていただければ幸いです。そうして生まれた「感動と共感」を高崎のまちづくりの新たな力にしてまいります。

結びにあたり、第32回高崎音楽祭の開催に多大なるご支援、ご協力を賜りました皆様に感謝を申し上げ開催の挨拶とします。

高崎音楽祭委員会 会長
高崎商工会議所  会頭

児玉正蔵

高崎市長
富岡賢治