第37回高崎音楽祭の開催にあたって
この街で出会う音楽、この街で生まれる響き。
1990年に始まった高崎音楽祭は、地域の皆様に支えられ、今年で第37回を迎えます。長年にわたり足を運んでくださるお客様、ご協賛企業の皆様、出演者ならびに開催にお力添えをいただく関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。
音楽との出会いが、人を、そして街を豊かにしていく。高崎音楽祭は、その思いを大切に歩んできました。多様な表現に触れ、心を動かされ、誰かと感動を分かち合う。そうした経験が人々の感性を育み、新たな交流を生み、その積み重ねが、この街ならではの文化や魅力になっていくと考えています。
今年は9月26日から10月12日までの17日間、高崎芸術劇場を舞台に、多彩な音楽をお届けします。親しんできた歌との再会も、初めて聴く音楽との出会いも楽しめる、ジャンルと世代を越えたプログラムがそろいました。
幕開けを飾るのは、群馬交響楽団による無料招待のオープニング演奏会です。この街で育まれてきたオーケストラの響きを、多くの皆様と分かち合いながら、今年の音楽祭が始まります。
今年の注目公演の一つが、今、最も熱い視線を集めるピアニストの一人、角野隼斗の出演です。ジャンルを越えて幅広い世代を惹きつけるその演奏を、高崎でお聴きいただけます。共演するのは、25年ぶりの来日となるヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団。ユッカ=ペッカ・サラステの指揮のもと、聴き逃せない一夜をお届けします。
音楽ホールでは、演奏家の息づかいや音色の細やかな表情に触れる公演をご用意しています。群馬交響楽団の伊藤文乃と長瀬夏嵐のデュオ、ヨハネス・モーザーと菊池洋子の共演では、二つの楽器が交わす音楽の対話をお楽しみください。荘村清志は、フルートの山形由美を迎え、没後30年となる武満徹の音楽世界へと誘います。高崎音楽祭でデビューしたシャローネシンガーズも登場し、世代を越えて親しまれる名曲を、声のアンサンブルでお届けします。
そして今年、ゴスペラーズのビッグバンドコンサートが、10回目を迎えます。5人との長いご縁から生まれたこの公演は、出演者とお客様に育まれ、高崎ならではのステージとして歩みを重ねてきました。5人のハーモニーとビッグバンドの厚みあるサウンドが響き合う。そのたびに、この街に大切な記憶が増えてきました。
初めて高崎で歌ってくださった日から、今日まで。そして、これからも。変わらずこの街で5人の歌声を迎えられることを、私たちはうれしく思います。これまで足を運んでくださった皆様も、初めてお越しになる皆様も、ともに10回目の景色をつくる2日間を、どうぞお楽しみください。
高崎音楽祭から生まれた熱帯JAZZ楽団は、歌姫MARLENEを迎えて登場します。躍動するラテンのリズムと歌声が響き合う、熱気あふれるステージにご期待ください。
新たな顔合わせにも、どうぞご注目ください。「シシド・カフカ Presents 高崎ゴールデンナイトショー」には、CHAGE and ASKAで数々の名曲を届けてきたChage、お笑いでも音楽でも多彩な才能を発揮する山口智充が出演します。シークレットゲストの登場も予定され、どんな顔合わせが実現するのか、当日のお楽しみです。音楽とエンターテインメントの魅力が交わる一夜にご期待ください。福原みほとさかいゆうの共演では、二人の歌声とグルーヴが出会う醍醐味を味わっていただけます。
食事とライブをともに楽しむ「ダイニングノーツ」は、今年で4年目を迎えます。すでにお楽しみいただいた方も、これからという方も、ぜひお越しください。今年は黒田卓也率いるaTak、リチャード・ボナ・クインテット、土岐麻子とNONA REEVESが、それぞれの夜を彩ります。気の合う仲間と食卓を囲み、目の前の演奏に耳を傾ける。劇場で過ごす時間そのものを楽しんでいただきたい、高崎音楽祭のオリジナルプログラムです。
初出演となるSIRUP、LITTLE TEMPO、チャラン・ポ・ランタン、TESTSET、UAをはじめ、菊地成孔とペペ・トルメント・アスカラールなど、独自の表現を追求するアーティストも登場します。前川清の長く愛されてきた歌とともに、音楽の幅広さ、奥深さを感じていただけることでしょう。
また、0歳から入場できる「高崎こどもコンサート」も開催します。子どもたちが初めて生のオーケストラに触れる時間を、ご家族で楽しんでいただければ幸いです。
好きなアーティストを目当てに訪れた方が、知らなかった音楽に出会う。子どもの頃に聴いた演奏が、成長してからも、この街の記憶として心に残る。公演の感動が家族や友人との会話につながり、劇場の外へと広がっていく。音楽祭で生まれる出会いを、高崎の暮らしや文化の中に根づかせていきたいと考えています。
これまで築いてきた出演者やお客様とのつながりを力に、高崎だからこそ実現できる共演や、新しい音楽の楽しみ方を、さらに育ててまいります。高崎芸術劇場、群馬交響楽団、そしてこの街で音楽を愛し、支える人々。その存在は、高崎が誇る大切な財産です。こうした力を生かし、食事や街歩きも含め、音楽とともに高崎で過ごす時間の魅力を、より多くの方へ届けていきます。
「あの公演を聴くために、高崎へ行きたい」。そして、この街に暮らす人が「高崎に音楽があってよかった」と感じられる。そんな街の姿を目指し、この街から生まれる音楽の可能性を広げてまいります。
今年も、皆様の心に残る出会いがありますように。どうぞ「第37回高崎音楽祭」を、存分にお楽しみください。
高崎音楽祭委員会


